前コラムで書かせていただいた、遺言制度に関する見直し(自筆証書遺言書の保管制度の創設-1)の続きです。
遺言者が亡くなった後の手続きについて
遺言者が亡くなり、相続が発生した場合には、遺言者の相続人は法務局へ出向き、
①遺言書情報証明書の交付
②遺言書保管事実証明書
③遺言書の閲覧請求などの手続き
を行い、遺言書の内容を確認することが可能です。
なお、相続人の1人が上記①または③の手続きをした場合、法務局から他相続人等へ遺言が保管されていることが通知されます。
この他、これまでの制度だと自筆証書遺言の場合、家庭裁判所での検認手続きを終えなければ、遺言の執行ができない仕組みでしたが、改正後に、自筆証書遺言を法務局で保管していた場合は、検認手続きが不要になります。
保管制度ができたことで、自筆証書遺言の紛失や強引な書き換え、形式不備などのリスクがなくなり、また家庭裁判所での検認手続きも不要となるため、すぐに遺産分割手続きにふみきることが出来るようになります。
改正後はかなり利用しやすくはなりますが、結局、自筆で書かないといけない部分が大半となるでしょうし、内容については前述したように税、権利など様々な部分で配慮が必要になるため、やはり遺言書はコンサルタント等の専門家にアドバイスをもらいながら進めていくことをお勧めします。
株式会社デザインライフ
相続コンサルタント 杉村 洋介